第5章 不意打ち
とある日のことだった。
『きゃあっ』
「あ、危ないっ!」
突然、悲鳴が聞こえてすぐ癒月さんだとわかった。
僕が密かに想いを寄せている人だから。
僕は、階段から落ちてくる癒月さんを間一髪受け止めた。
『……っ、み、緑谷くん⁉︎』
「癒月さん、大丈夫っ?」
『…う、うんっ/// 大丈夫、だけどっ、その…っ//』
ーはぁ〜良かった…怪我がなくて…ってあれ?
手の感触が、柔らかい…?
癒月さんの顔もなんだか赤い気がするけど
『あの、その緑谷、くんっ///』
「……えっ?」
その時、僕は癒月さんの視線の先を辿ると、自分の手が癒月さんの胸に触れていた。
僕は慌てて手を離す。
「うわぁあっ、ごごごごめんっ変なとこ触って///」
『……っ// んーん、事故、だし、大丈夫だよ?
ありがとう緑谷くん/// 』
あんなことをされたのにもかかわらず、癒月さんは笑顔でお礼を言う。
僕は思わず、ぎゅん!って胸が高鳴った。
あーやっぱり可愛い。
好きな気持ちがもっと大きくなる。
『それに、支えてくれたのが緑谷くんで良かった///』
「…へっ⁉︎ それってどう言う意味!??//」
じゃあね、って去っていく癒月さん。
僕はその場からしばらく動けなかった。
END