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ONE PIECE短編集

第3章 絡みついたのは愛か死か(トラファルガー・ロー)




「初めて見たな。”ダーク・シープ”の一員を」
「・・・知ってる、の?」
「噂程度にな。この船がその一人を捉えたっつぅから奪ってみようかと思ってな」
「・・・」


ならばこの戦は私が目的か。
"ダーク・シープ"と呼ばれる秘密結社。世界政府も利用する裏組織だ。
世間・世界政府・海軍、そしてダーク・シープをつなぐのが私の役目。要は私がつながる為の玄関口なのだ。


「"Black"てのが最高司令塔だと聞いたが間違いないか?」
「…それをなぜあなたに教える必要がある?」
「興味があるからだ」
「答えとしては不十分。返答はしない」
「秘密、か。おいベポ」
「アイアイ、キャプテン」


私の返答に鼻で笑ったかと思うと、後ろに控えていた白熊(近づいてきたからわかった)に命令を出す。
トテトテと巨体ににつかわしくない足音をたてて近付いてきた彼(オス、だよな・・・)は途中で刀を男に渡す。
ようやく目の前に来た白熊は私と壁をつなぐ鎖を見て若干顔を暗くした。


「キャプテン、これどうする?」


白熊の問いに男は近寄ってくる。
じゃらりと音を立てて彼が首の鎖を手にすると、それを強くひっぱった。


「うっ」
「なかなか、あのデブもいい趣味をしているな」


引っ張られた先にあったのは今まで会話していた男の顔。
明かりがある今その顔を見ると、顔に熱が集まっていくように感じる。
眼光は鋭いし目の下のクマは不健康さを醸し出しているが、それでも端正な顔立ちに彼から目が離せない。
少し漂う危険な香りがひどく色を持っていた。





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