第14章 きみは手のひらの上 罪と罰❄︎【善逸・無一郎】
目が覚めると地下の防音室の天井が目に入った。
『…んっ…あ、れ…?』
どうしてと瞬きを繰り返すと、楽しそうな声で話す無一郎くんの声が聞こえた。
「あ!椿姫お姉さん、目が覚めた?」
無一郎くんはとびきりの笑顔を浮かべてわたしの顔を覗き込んだ。
遅れて我妻さんが無一郎くんの隣に並ぶ。
「僕たちね、椿姫お姉さんに…ううん、椿姫さんに大切なお話があるんだ。聞いてくれる?」
わたしはさっと血の気が引くのがわかった。
無一郎くんは口を開いた。
「僕、椿姫さんが大好きだよ。心から愛してる。だから、他の男を選んで欲しくないんだよね」
無一郎くんが言い終わると我妻くんも口を開く。
「お、俺も椿姫が好きなんだ!誰にも渡したくない!だから…!」
「「僕/俺を選んでよ、椿姫/さん」」
わたしは目を大きく見開き、呼吸が一瞬止まった。
『え…待って、冗談…だよね…?』
わたしは恐怖で呼吸が浅くなる。
「僕たちが冗談でやってるって本気で言ってるの?」
「…本気だよ、椿姫。俺たちはずっと椿姫が好きだったんだ」
「なのに、かっこいい先輩に告白されて?OKの返事をしようとしてるわけじゃないよね?」
喉がひゅっと鳴った。
「だからさ、椿姫さん。ソイツの返事メールで断っていいよね?」
「ねぇ、椿姫。俺たちなしじゃ生きていけないようにしないとね…?」
「「ね?身体に聞くからちゃんと答えてね?♡椿姫♡/さん♡」」
『や、やだっ!!』
手足を縛る伸縮性の紐から逃れようともがくも、効果はないらしくただ手首、足首がぎりっと締まるだけだった。
『これっ!解いてっ!!』
暴れるわたしをよそに我妻くんはわたしに目隠しをする。
その手が離れたと思った瞬間、胸を触る手と太ももを撫でる手に身体がびくりと跳ねる。
『ひっ!?』
「「楽しみはこれからだよ、椿姫/さん」」
わたしはとんでもない人たちに目をつけられていた、そう思うと同時にもう逃げられないのだと悟った……
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