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【鬼滅の刃】雪夜の花【短・中編集】

第8章 令和時代からこんにちは【伊黒小芭内】



❄︎

 『きゃぁっ!?』

わたしは急な浮遊感に襲われる。
下には舗装されていない道が続いている。
これはまずい…!そう思うと同時に、身体が下に降下していくのがわかった。

 『きゃぁぁぁっ!?』

どんどん近くなる地面に、わたしはぎゅっと目を瞑った。
いつまで経っても身体に痛さも、衝撃も来ない。
ゆっくりと目を開けると、そこにはよく見慣れた人がいた。

 『う、ずい…先生…?』

 「あ?」

そう、そこには宇髄先生がいたのだ。
いくつか違うところがあるとすれば、頭にそんな派手な宝石?の付いた額当ては付けてないし、頭にも布を巻いてなんかいない。
それに、学生服のような服を着ているのに袖がないし、背中には大きな刀が2本ある。

 『え…別人、なの…?』

わたしはそう呟くしかなかった。

 「あー…俺は宇髄だが…雪柳?お前この格好どうしたんだ?それにいつもなら身軽に飛び跳ねてるのに」

そういうと、宇髄先生?はわたしをゆっくりと地面に下ろした。

 『この格好って…宇髄先生の方の格好の方がどうしたんですか?ぴょんぴょん飛び跳ねてるって…わたしをうさぎかなにかだと思ってるんですか?』

そういい返すと、宇髄先生はまたあーとか、うーとか唸るとわたしを肩に担ぎ上げた。

 『わわっ!?ちょっ、ちょっとっ!!セクハラですよっ!!』

 「あぁ!?ちと黙ってろ!口開けてっと舌噛むぞ」

そう言うと、ドンっ!と大きな音がすると景色が変わる。

 『っ!?』

わたしは振り落とされないように、宇髄先生の背中にしがみつく。

 『こっ怖いっ!!』

 「すぐ着く、大人しくしてろ」

そう言ってからすぐに宇髄先生は立ち止まる。

 「おーい、胡蝶ーいるかー?」

そう言うと、ガラガラと扉を開ける音がする。

 「なんです?宇髄さん…え?誰を攫ってきたんです!?」

穏やかに話していた女の人の口調が一瞬にして、慌てたような口調になる。

 「あぁ、中に入ってからでもいいか?」

 「え?あぁ、はい。どうぞ」

そう言うと中に入る。

 『あの…わたし、いつまでこのままなんですか…』

わたしは上半身を起こしつつ、宇髄先生を見下ろす。

 「あぁ、もう少しな」

宇髄先生はわたしを担ぎ上げたまま、歩き出すと女の人の後に続いた。

❄︎

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