【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第9章 TRICK OR TREAT!
次に孤爪が黒尾のリュックサックに手を突っ込み、手を抜けばもう一つのカチューシャが出てくる。
小さい棘が2つ付いた黒いカチューシャ。それは悪魔がモチーフカチューシャだった。
孤爪が#れいか#にゆっくり頭の上に掛けると、#れいか#は抵抗せずにじっと待つ。子供用のはずなのに、ピッタリでキツキツに感じられないのは彼女の顔が小さいから。
「てっ、天使……いや悪魔?天使の顔を被った悪魔とか……?そうなのか!」
「……クロの変態感が凄いからやめて。通行人から見られたら通報されるよ」
「いや俺ら同級生に見えるじゃん。周りから見たらカップルだろ。お似合いのカップル」
「いや無理」
眉をひそめ、全力で拒否する孤爪を黒尾は笑う。だが#れいか#を視界に入れた瞬間真顔になり見つめ続けるのだった。
『……居心地悪いんだけど。……うわ待って!その異常じみた目で見るのやめて鳥肌立つ!』
孤爪の後ろに隠れ目も合わさないように視点を変える#れいか#。黒尾は手をニギニギといやらしく動かす。
「クロいい加減にしないと殴るよ」
真顔で光のない目で見つめられ、黒尾は冷たい汗をかく。そしてゆっくりと手を下ろす。
「ちぇっ。なんだよ二人して」
「……本当に鶏冠って言われてもこれから指定しないでよクロ。鶏ってすぐ忘れるみたいだから」
「いきなりなんだよ!」
「いやさっきのことが無かったようにオレ達のこと不思議に見てきてたから」
「研磨ァァ!!」
『こら。近所迷惑』
黒尾と孤爪の頬を優しく引っ張る#れいか#に二人はお互いに睨みながら黙る。
『ねぇ、私だけじゃなくて研磨もクロも付けてよ』
#れいか#はそう二人に語る。孤爪は先程#れいか#に渡された猫のカチューシャを睨みつけ、ゆっくりと頭に付ける。矢張り子供用なので少し痛いが、何とか付けることができた。
クロは?と言う孤爪と#れいか#に黒尾は#れいか#にリュックサックに入っていると言い、#れいか#に取らせる。出てきたのは金色のプラスチックの輪になっているティアラを出す。#れいか#はそれを黒尾に渡し、慎重に頭の上に乗せる。…が、直ぐにティアラは床に落ちる。黒尾の独特の髪型には合わないようだ。