【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第8章 孤爪研磨くん、誕生日おめでとう
「ふーん、良いじゃねーか。相変わらず選ぶセンスいいなぁ、#れいか#」
「う、うん……」
孤爪はペンケースとタオルをじっと見て、嬉しさを噛み締める。ペンケースに対しては、そこまで見ていてくれたんだ、という嬉しさや、部活でのという気遣いに薄く口角をあげる。
色の組み合わせや形も、孤爪が好みのもので、自分のことを考え選んでくれたんだと思えば、どんどん嬉しさが込み上げてくる。
「大事に使うね」
『ふふ、喜んで貰えたなら良かった』
毎年の恒例ではあるものの、二人は嬉しさが薄れず、想いと同時に増すばかり。好きな人から貰えるものは何でも嬉しいが、#れいか#の場合、日常生活で気軽に使えるような自分好みの物をくれる為、二人にとってはそれが嬉しいのだ。
そんな三人を、大人達はニヤニヤと傍観していた。
ジュースや炭酸を飲みながら、最近会えていなかった三人は身近にあった事を話す。
「俺はずーっと髪のイジりが止まらない……そんなに変か?これ」
「うん」
「遠慮なく言うな、本当に。鶏冠、なんて言われて俺もう……モテることできねぇのかよこれ」
「え……それでモテるとか……」
「おい目。#れいか#はどうよ、こんな旦那」
『却下』
「その言葉で絶望に変わった……いやでも俺自体は素敵だろ?優しいし!何よりカッコ──」
『最近寒くなったね~』
「うん、カイロないと無理かも」
『確かに』
「話聞いて?」
#れいか#の腰にしがみつき、なぁなんでだよ~なんて言う黒尾を軽く荒らし合い、#れいか#は黒尾の頬を引っ張る。イデデデ!と悲痛の声をあげると、#れいか#は放し、黒尾は赤くなった頬に触れる。
『最近は何か特にニュースはないの?』
「別に……そんなことより#れいか#、クロの誕生日の次は#れいか#だよ?またプレゼント渡すだけとかヤダ……家どこにあるの?」
「そ~だよ!お前子供の時みたいに騙せると思うなよ……もう俺は大人だからな!」
「……別にそんなことはないと思うけど」
「いーの!」
で、どこにあるの⁉と顔を近付け聞く。#れいか#は眉を下げ、少し下を向く。
『……ごめんね、教えてあげられなくて。……叔母さんが、駄目って言うの。あ、別にクロと研磨が嫌ってわけじゃないんだよ?感謝してるって言ってた。……でも、家だけは本当に駄目なの』
