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【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】

第6章 儚く散った花火が君に酷似していたから


何故焦っているのかと言うと、もしかすると仲がいいと思っているのは自分たちだけなのでは、という気持ち。知らない彼女なんて嫌だ。彼女を知っているのはオレだけでいいという独占力。
けれど、優しい言葉に笑顔。あの日、公園で「"特別"」だと言ってくれた言葉は、黒尾も孤爪も胸に焼き付いている。

「はい、これお面」

孤爪が#れいか#に渡したのは狐のお面。そのお面を見た#れいか#は少し目を見開き、ふわりと笑えばありがとうとお礼を言ってお面の縁をなぞった。

『なんでこの狐にしたの?』
「え?なんでって……なんとなく」
『そっかぁ……ふふっ』

やけに嬉しそうに狐のお面を見つめる#れいか#を疑問に思いながら、どうしてそんなに嬉しそうなの?と狐が好きだっけ?と心の中で思いながら質問した。

『ううん、なんだか懐かしくて』
「……?」

答えの意味が分からずハテナを浮かべる孤爪に、なんでもないよと言った#れいか#。少し気になりはするが、あまり追求しなかった孤爪。
先程からじっとこちらを見つめ黙っている黒尾に居心地の悪さを感じたのか#れいか#は声を掛ける。

『……なに?さっきからじーっと見て』
「いや、本当に可愛いなっておもっ」
『結構です』
「なんだよ照れるとかしろよ~」

髪を優しく撫でながら黒尾は言う。孤爪はそんな二人の姿を居心地の悪いように眉をひそめた。けれど二人にバレないように。

狐のお面を被り、#れいか#達は沢山の人混みの中を歩きて行く。
だが、何故か自然と道ができていく。それは#れいか#から漂う雰囲気だった。
狐のお面で顔を隠してたとはいえ、そのお面が更に雰囲気を放つ。
まぁこれも毎年恒例だと、黒尾と孤爪は溜息をついた。


***

「やっぱり、ここだと人少ないな」

川の近くに付いたとき、黒尾がそう言った。その言葉に、孤爪は頷き同意する。
川の周りには蛍が沢山飛んでいて、蟋蟀や鈴虫の声も聞こえる。
もう暗くなり、周りに人はあまりいない場所で毎年黒尾と弧爪と一緒に#れいか#は花火を見ていた。
先程黒尾が買ってくれたりんご飴を#れいか#はお面を横にずらし食べる。

「#れいか#、オレも食べたい。ちょうだい」

繋いでいる手をギュッと握り、孤爪は#れいか#に問う。
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