それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第8章 弱者は仕込む
腹に温かい紅茶をいれたせいか、緩く眠気が襲ってくる。
痛みと戦いながら研究を夜通し進めていたのだ、当然に眠たい。
ましてや生理だ、余計に眠たくなる。
スノーは独特の眠気にゆっくりと瞼を閉じる。
昔はそう、セブルスが裏切る前は。
彼が温かい蜂蜜たっぷりのミルクティと、とても苦い痛み止めを用意してくれたものだ。
あまりにもスノーの生理が重たいのと体質的な問題で、よく効くとはお世辞にも言えなかったが、それでもありがたいものだった。
懐かしいな、と思い出にひたりながら、スノーの意識はまどろんでいく。
ホルモンバランスが乱れているせいか、ずいぶんと懐かしいことばかり思い出してしまう。
そう、セブルスの薬も効かず、痛みに呻くスノーに、ヴォルデモート卿もひどく心配をしてくれたものだ。
普段と変わらず素っ気ないものの、ベッドでウンウン唸るスノーにうるさいと文句を言うことも無く、そばの机で仕事をしてくれた。
時折気まぐれに頭を撫でられるのが好きだった。
それがどれだけ嬉しかったことか。
自身がそばについて居られない時には、必ずマルフォイ家に運び込み、ナルシッサを呼んでくれた。
ナルシッサはポリフェノールがいいのよ、なんていいながら、甘さを控えめにしたココアをいれてくれた。
世間からは恐れられた闇の陣営ではあるが、スノーにとっては幸せな場所だった。
我が君…
とポツリと言葉を漏らすと、スノーの意識は完全に落ちた。