第9章 ユーカリ
「ねぇ、クロ。…ご飯ご馳走になるとき、何か渡したいんだけど何がいいと思う」
部活帰りの電車で聞いてみる
クロ「…は?穂波ちゃん?いつも通りでいいんじゃね」
研磨「…んー。…ちょっとだけいつも通りじゃないやつ」
クロ「………」
研磨「………」
クロ「あ。」
研磨「………」
クロ「…クリスマス?」
研磨「うん」
クロ「…ちょっとだけって。カップルにはデカいイベントだろ」
研磨「…かな」
クロ「普通にプレゼント選べばいいんじゃね?アクセサリーとか?」
研磨「んー。そういうんじゃない」
クロ「………」
研磨「クリスマスだけどプレゼントとか気にしないでって」
クロ「…へぇ、めずらしいね、女の子で」
研磨「前、誕生日のときにこれからも誕生日とか一緒に過ごすけど、
プレゼントが義務みたいになるのはやめよって言ってた」
クロ「なるほどねぇ…でもご飯作ってもらうの分かってて行くんだし、手ぶらってのもな。
だからってこの間みたいに果物とかって感じでもねぇしな」
研磨「そ。なくなるものがいいのかなとか思うんだけど」
クロ「ツトムくんとかならすぐいい案くれそうだけどなぁ…」
研磨「………」
クロ「あ。」
研磨「………」
クロ「…花とかいいんじゃね?」
研磨「花…」
クロ「好きそうじゃん」
研磨「花…」
クロ「ちょっと買うの気合いるな…笑」
花か… いいかも。
でも花なんて贈るどころか買ったことないし…
どこで買えばいいんだろ
クロ「でもいいな。プレゼントが義務になるのは確かにやだわ」
研磨「うん」
クロ「いいじゃん。すげーいい。…あー俺の彼女へのハードルがあがってく。あーつらい 笑」
研磨「普通にこれからも一緒にいるって思ってくれてるのがうれしい」
クロ「………。あーーまじなんなのお前ら」
研磨「は?」
クロ「は?」
研磨「………は?」
クロ「…笑 なんでもないです。八つ当たりです」
研磨「…なにそれ。 …あ、でもありがと。花、いいかも」
クロ「あいよー」