第25章 秋刀魚
ー穂波sideー
研磨くんの指を咥えて、
声が漏れないようにする
今日は家の中に人がたくさんいるんだって忘れてた。
さっき、誰かが廊下で転んだ音がした。
お兄ちゃんの部屋で休憩するのかもしれない。
たまに大きな声出しちゃうから、気をつけよう、
声を出さないようにしようって思うと
なんだかイケナイことしてるみたいな感じがして何故だか身体が疼く
研磨くんの指を咥えながら
ピンポイントでイイトコを突かれ続けて
頭がくらくらしてくる。
もう片方の手がわたしの腕を掴んでくいっと後ろに引っ張る。
それと同時に研磨くんの腰がまた奥まで沈む
上体が起きて、身体の重みでさっきよりもっと深くに当たる感じがする
『…んっ……』
奥を優しくつくように
研磨くんは腰を小刻みに動かす
口の中にあった指は胸へと移動し、
わたしの唾液で濡れた指先で突起を円を描くようにこりこりとする
『けんまくッ…ん…… あっ………』
ビクンって腰が反って、
ガクガクーって脚の力が抜けて行く
力の抜けたわたしを研磨くんの腕が後ろから支えてくれる
「…ねぇ穂波」
後ろからぎゅーってしながら耳元で研磨くんがわたしの名前を呼ぶ
『…んッ………』
「………」
『…ん、なぁに?』
「…穂波の甘い声、他の誰にも聴かれたくないって思ってた」
『…ん。 …思ってた?』
「…今も変わらないけど、声出さないようにってするのってなんかコーフンするね。
穂波もでしょ?」
『………』
何もかもお見通し
「あんまゆっくりできなくなっちゃうケド… ずっとキスしてみよ」
『…ん』
ずっとキスしながらなんて想像するだけで身体が溶けちゃいそう…