第4章 肆.命ある限り ※
「カナヲ、大丈夫だよ」
未だに震えているカナヲに羽織りをかける。
隠にカナヲを託して、戻ろうとしたその時愈史郎に止められる。
「」
「愈史郎」
「先に柱の救護を手伝ってくれ」
体力を回復するまでは今行っても無駄だと言うことかもしれない。
……確かに、戦力を少しでも回復させた方がいい。
「不死川を頼む」
「わかった!」
指をさされたところを見上げると、3~4階ほどの壁から足が見えていた。
あんなんもう戦えないんじゃ……?
そう思いながら壁をつたってあがっていく。
「実弥さん……! 」
壁を少し砕き、引き抜いてそのまま地面へと着地する。
気を失っているようだった。
隠の元へ抱きかかえて連れて行き、冨岡さんもいたのでそちらも抱きかかえて連れていった。
冨岡さん、腕が……、利き手が…。
「小芭内と悲鳴嶼さんは…!」
「先に岩柱様の元へ行ったようです」
「あ、そうなんだ……じゃあ村田さん、後お願い」
「……お気をつけて!」
無惨と炭治郎くんが戦っている場所へと戻る。
炭治郎くんの呼吸で辺りが燃え盛るように無惨を攻撃していた。
……小芭内もいる!よかった、無事だ!
助太刀をするために斬りかかろうとすると、無惨の様子がおかしいことに気づく。
ピタリと動きが止まっているその隙にと二人は斬り掛かる。
「だめ!」
なにか来ると、感覚で分かった。
炭治郎くんごめん、間に合わない!
近くにいる小芭内を抱きかかえ逃げようと思ったが、小芭内に抱きつくように飛び込むのが精一杯で、そのまま吹き飛ばされてしまった。
「大丈夫?」
「助かった」
血鬼術だったようで、わたしへのダメージはなく小芭内も無事だ。
吹き飛ばされたところからふたりでまた無惨の元へ戻る。
炭治郎くんが無惨を壁に突き刺し、それに抵抗するように無惨は攻撃をしようとしている。
それを蜜璃ちゃん、実弥さんと庇っていた。
蜜璃ちゃんが吹き飛ばされてしまい、攻撃を食らっていたか定かじゃない。
しかし衝撃を少しでも和らげるために、わたしの血を蜜璃ちゃんへつける。
血鬼術でその血を膨大させ緩衝材代わりにはなる。
小芭内は炭治郎くんと無惨の間にはいり代わりに攻撃を受けようとしたので、小芭内の頭に当たらないよう口に刀を突き刺した。