第4章 肆.命ある限り ※
「ほら、喰ってやるから早くこい。
昔のように愛でてから…どこから味わおうか…?
大人になったその秘部の味は変わったか……?ん?
誰かに汚されたか? あぁでも鬼になったんだもんなぁ」
忌々しい言葉に殺意を覚える。
星の呼吸 漆ノ型 星天創痍
「おお…!美しいな!」
「あなたはなんなの?上弦なの?一体何者なの…?
わたしの親は……? どこから産まれたの?」
「母親は俺が喰ったよ。
上弦でもなんでもない、俺はただ人を喰うのが好きなだけだからなぁ。
邪魔するやつは殺しただけだ。無惨様もそれを許してくださった。
ただそうだなぁ……猗窩座や童磨には勝てるだろうなぁ」
親が持っていたのであろう書物が後に当時わたしのいた場所から見つかったのだ。
恐らく親が隠し持っていて、それをわたしに残すために隠しておいたのだと後になって理解した。
それは先代が考察や記録を繰り返した痕が残っている呼吸指南書だった。
まだ作成途中だったのか、というかその呼吸が存在するものなのかどうかすら知らない。
鬼殺隊に入ってその呼吸を使っている人を聞いたことがないし。
柱という概念に縛られず、いろんな隊士と関わりたかった。
結局、わたしは鬼殺隊の幻のようになってしまったわけだが。
その指南書を参考にして、炎の呼吸を混じえて自分なりに作ったのが星の呼吸だった。
「生きてると思わなかった……」
「感動の再開だなぁ!嬉しかろう!」
「……自分の手で殺せるのは、本当に嬉しい」
「生意気言うようになったものだな」
まるで風がふいたような速さで移動して捕らえようとしてくる。
その伸びた手を日輪刀で叩き斬るが想像以上の速さで腕が再生し、それに気をとられている間に顔めがけて反対から拳が飛んでくる。
防御した左手が吹き飛ばされてしまった。
……つよ。
しかしわたしの再生速度も負けてはいない。
……しまった、予備の血液足りるか不安だ…。
こうして再生や体力を消耗すると、頼らざるを得ない。
「参ノ型 箒星」
「今の入れ替わった上弦よりは格段に強いなぁ。
吸収したら一生一緒に暮らせるし、俺はこれまでにないほど強くなれそうだ……。
血鬼術みせてやろう……形態変化・獣」
距離をとられてしまい、血鬼術を使うなりみるみる姿が変形していく。