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第9章 ツーマンセル


「囲まれてるな…人数も多い。逃げ切るには難しそうだ」

「うん、いつものことだから大丈夫」

と、話し終えたところで一斉にクナイが飛んできた。
ある程度よけたが、あまりに数が多いためかかしが土遁で対抗する。

それでもたくさんの忍びが何の躊躇もなく、土遁で作られた壁を乗り越え攻撃をしかける。

「糸遁・蜘蛛呪縛・滅!(しとん・くもじゅばく・めつ)」

土遁の壁を越えて飛び込んでくる何人もの忍び達に、一斉に蜘蛛の巣のごとく網を広範囲にはり、そこにつかまった忍び達を滅の言葉で一気に切り裂く。

残った忍びをかかしが写輪眼で先読みし、次々と技をかけられるまえに滅していった。

「相変わらずお前は人気ものみたいだね。ま、確かに見ててもいい技もってるよ」

「こんなことで人気でも困るよ。いい加減、あきらめてほしいほんと…」

息を整えながら2人で笑った。

終わったか…と安堵した時、左足に違和感を感じた。
しびれてる…?
かかしが私の違和感に気づいた。

「マユ?どうした?」

「かかし…わかんないけど、左足に違和感が…しびれてる。広がっていってる…ような」

そこまで話した後、ぐらりと倒れこんだ。

_____

「やっと効いてきたか。あれだけおとりがあれば多少なりとも一瞬のスキはつけたってとこかな」

木の陰から一人忍びがでてきた。
私は横たわったまま、そいつを見つめるしかできない。
かかしが私をかばって目の前に立ちはだかる。

「たった一人を手に入れるために、これだけの犠牲をだして平気で出てこれるなんて、あんたも卑劣きわまりないね。
彼女は渡さないよ」

「そう怒るな、コピー忍者のかかしよ。あれは、ただの駒でしかない。そいつを手にいれるだけのためのな」

にらみ合う2人を見上げながら悔し涙がでた。

これじゃ私はかかしを守れない…ただのお荷物だ…

なんらかの毒の影響で途絶えそうな意識の中、ただかかしの無事を祈った。
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