第8章 金色の太陽の子と私
かかしサイド 続き
それから2日間、みっちり俺とマユは演習場で修行を一緒行った。ナルトと修行をしていたとはいえ、彼女は血継限界・糸遁の持ち主、俺は血筋は違えども写輪眼の持ち主。
そのぶつかり合いはそれなりにすさまじいものとなった。
「ほんと…それでなまってるっていうの?」
「へへ…かかしこそ…本気まだ出してないくせに…」
お互い息を切らし、会話しながらも隙をねらう。
彼女の糸遁は敵に回すとかなり厄介だと思った。
その強靭な糸を使って、攻撃、防御、援護、罠、確保…あらゆることができるのだ。
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きりがついたところで休憩~…ってことでお互いに腰をおろしす。俺は写輪眼をおさめてマユを見た。
「ちょっともー強すぎでしょ…」
それを聞いて、彼女はいたずらな子供のような顔をしてうれしそうに笑う。
「かかしこそ、純粋な血継限界でもないのになんでそんな強いのー?けっこうこたえてるんだよこれでも」
「ほんと弱点とかないの?」
「ん~弱点かぁ…弱点…あえていうなら…かかしかな!」
そう恥ずかし気もなく言うかわいい彼女に俺の心はいとも簡単につかまれる。
「も~…そういうのダメだって…」
ここは演習場、俺たちはいま修行中…
ダメダメと自分の理性を保とうと、立ち上がって彼女に背を向けて歩き出すと、背中にピトっと何かくっついた。
途端にグインと勢いよく引っ張られマユの傍に座らされる。
「な、何これ!?蜘蛛の巣?」
体に付着した無数の糸をはがした。驚く俺にマユは笑って
「へへへ~。糸遁をなめちゃダメ。かかしが逃げるから糸くっつけて引っ張ってやった」
「も~大人をからかわないの」
そういって彼女を見ると、いたずらっ子の顔が今度は恥ずかしそうに言った。
「だってかかしが我慢してあっちにいこうとするから…」
こうやって彼女は俺のことを無意識にあおるのだ。
「ま、俺の弱点もお前だから…」
そういって彼女の体温と愛情を唇で感じる。
1回だけにしておこうと、己の理性に歯止めをかけた。
「さ、もうちょっと頑張りますかね」
「むー…たりないー」
そう不貞腐れる彼女に
「じゃ、頑張って修行して、早く帰ろ?続きはゆっくり家に帰ってからね」
そういうと、彼女はほっぺをピンクに染めて
「それなら…もうちょっと頑張る…」
とたちあがった。
