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星降る丘【NARUTO】

第6章 海辺のバレンタインデー


「サクが好きだ……」

そう言って口布をずらすと、灰色と赤の瞳が閉じられそっと唇が重なる。


ドサッ!!!

「っ!!?」

ベッドから落ちた衝撃でパチリと目が覚める。

すごい夢を、見てしまった……。
真っ赤な顔のまま、わたしはしばらく床に座り込んで動けなかった。



「アンタ、溜まってんの?」

「たったまっ!?
わたし溜まってるどころか、キスしたことすらないからっ!!」

身もふたもないハナの言い草に真っ赤な顔で抗議する。
今日はハナと明日のバレンタインデーのために、わたしの家で一緒にチョコレートを作っている。

「でも、サクがキスの夢ね〜。
あー、面白い」

チョコを溶かしながら、心底楽しそうなハナを恨めしげに睨む。

「面白くないし…」

「でもアンタなりに進んでんじゃん。
お祭りで手つないだり、看病に来てくれたりさ」

「それは、でも先輩として、だもん……」

「そうかなぁ?
いくらコケそうになったからって、後輩の手は握らないと思うけど……」

「そう、なのかな?
よくわかんないや……」

「明日からツーマンセルなんでしょ!
チョコ渡して告白しちゃえばいいじゃん!」

「んー……。
今の関係が居心地良すぎて、それがなくなっちゃうのも怖いんだよ。
もし告白なんかしちゃったら今の関係には戻れなっ…!」

「そんなネガティブなこと言いながらチョコ作らないでくれる?
不味くなる!」

ハナに鼻をつままれ言葉を途中で遮られる。

「そんなこと言ってたら、他の子に取られちゃうよー。
カカシ先輩、わたしにはわかんないけど、結構モテるみたいだよ。
背、高いし、強いし、ちょっと影はあるけど、それがまたいいみたい。
こないだも告白されてるの見ちゃったし」

「え!?本当に??」

「うん。なんか、可愛い子だったなー」

カカシ先輩がモテるなんて知らなかった……
いや、たしかにカッコいいし、優しいし。
でも告白されたり彼女がいたなんて話、聞いたことなかったし……

「ふふ、なーに絶望的な顔してんのよ。
アンタが一番近くにいるんだから、一番有利でしょ」

「でも纏わり付いてくる犬くらいにしか、思われてない気がする……」

「まー、アンタは色気のいの字もないもんね。」

「う……。たしかに……」

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