第23章 キセキ
今日も空を眺めに丘を訪れていた。
明かり一つないここから見上げる星空は圧巻で、今日は午前中の雨のせいか、いつもよりも余計に空が澄んでいるような気がした。
今にも星がこぼれ落ちそう……
そう思った瞬間、スッとひとつの星が流れた。
そのあとも、次から次へと星が流れていく。
「あ……」
呆けてしまっていた自分に気づき、急いで目をつぶってみんなの無事を願う。
そのとき、うしろからいきなりぎゅっと抱きしめられた。
この気配、この匂い、このぬくもり……
焦がれてやまなかったもののすべてが、そこにはあった。
「サク、お待たせ……」
わたしを呼ぶ声に感情が一気にたかぶって、涙腺が壊れたみたいに涙が溢れる。
でも、そんなこと構ってられなくて、振り向き思いきりカカシに抱きつく。
「……っカカシっ!!
お待たせって……。
昨日別れたみたいに、言わないでよっ!!
心配した!!
ずっと、不安だったんだからっ……!!」
「うん。
ゴメンね」
感情のままに泣き続けるわたしを宥めるように、カカシが大きな手で頭を優しく撫でてくれる。
それにすごく安心してしまい、わたしは思いの丈をぶつけるように、温かい腕の中で気がすむまで泣き続けた。
そんな二人を包みこむように、たくさんの星が夜空を流れていった。
……………………………………⭐︎⭐︎⭐︎…………