第22章 愛ゆえの我儘
「サク、声、聞きたい。
我慢しないで……」
暗示にかかったみたいに声が大きくなってしまう。
わたしもカカシに触れたい……
わたしはカカシの首に手を回して抱きつくと、自らねだるように口付けた。
「カカシ、好き……。大好き……」
想いが溢れてこぼれ落ちていく。
カカシがそれに応えるように情熱的なキスをくれる。
「オレも、大好き……」
キスの合間、吐息で囁かれた言葉に体中がさらに熱くなる。
これが幸せじゃなかったら、いったい何が幸せなんだろうと思うほど満たされた気持ちで、わたしたちは求め合い、そして抱き合って眠りについた。
このときのわたしたちは、目の前の幸せに、頭から足の先まで一ミリも余すことなく浸かっていて、これから起こることを、そして2人がまた一緒にいられなくなってしまうことを、まったく知るよしもなかったーーー
……………………………………⭐︎⭐︎⭐︎…………