第22章 愛ゆえの我儘
チャプ……
湯気がもうもうと立ち込める狭い浴室にお湯が揺れてぶつかり音が響く。
今日は、仕事あがり火影邸の前で偶然カカシに会い、夕飯を外で簡単に済ませ一緒に帰ってきた。
カカシは5日ほど任務でいなくて、わたしの夜勤も重なり、ちゃんと会うのは1週間ぶり。
未だにカカシに会うと嬉しくて、胸がキュウとなる。
早くその腕に抱き締められたくて、ベッドまでも待てず玄関でドアを閉めた瞬間に口づけ、求め合った。
いつまでたっても衰えないカカシへの気持ちを、わたしはいつだって持て余してしまう。
狭い浴室で、膝を立てたカカシの足の間に挟まるように体育座りしていたけど、どうしても触れたくなって膝立ちになってカカシに口付ける。
「何?どうしたの?
一回じゃ、足りなかった??」
意地悪に微笑んだカカシが、離れた唇を追いかけるようにキスを返してくれる。
端正な顔立ち、今は笑みを形作る口の下のホクロ、色っぽい目もと。
わたしはそのすべてに釘付けになってしまう。
「カカシのこと、好きすぎて困る……」
恥ずかしくてカカシの顔を見ていられなくなって、赤くなった顔を隠すようにカカシの胸にもたれると、ぎゅっと両腕で抱きしめられる。
「もー。そんなかわいいこと言われたら、襲っちゃうよ……」
肩に張り付いていた髪をかき分けて、カカシが肩口に唇をつける。
そのまま首を熱く濡れた舌が這い、思わず声が漏れてしまう。
「もう一回したい。
ダメ……?」
耳元で熱い吐息で囁かれ、ゾクリと肌が粟立つ。
ダメなわけ、ない。
今夜はたくさんカカシに愛されたかった。
わたしが、掠れた声でなんとか「ダメじゃない」と言うと、カカシが嬉しそうにわたしをいっそう抱き寄せて、耳にキスをした。
「サク、胸おっきくなったよね。
なんか、前より抱き心地も柔らかくなった……」
「う……、やっぱ現役のころより修行の時間がとれないからかな……。
トレーニングする時間、作らなきゃ……」
年齢による代謝の衰えもあるのか、最近急に肉がつくようになり、体重も増えてしまった。
「オレは気持ちいし、好きだけど」
背中に回っていた手が這い上がって、柔らかな部分に触れる。
「……っぁ……」
堪えきれない声が唇の隙間から漏れ出てしまう。