第19章 帰郷
グングンと景色を追いこして気配のする方へ一心不乱に駆ける。
向こうもかなりのスピードで近づいてくるから、もう少し……
跳んだ瞬間視界が開け、ずっと会いたかった人を視界に捉えた。
「カカシ!?」
向こうも気づいて目が合う。
スピードを緩めず、空中でサクに突進した。
「わっ!!」
ぶつかった衝撃で声を上げるサクを掻き抱いて次の木に飛び移り、そのままギュウギュウに抱きしめる。
サクの匂い、体温、柔らかさ…。
焦がれていた人が、今、目の前にいる。
「んっ、苦しっ……」
胸を押して訴える声にやっと現実に戻り、少し腕を緩めサクの顔を見る。
「ゴメン……」
「大丈夫」
オレを見上げてサクが笑う。
それだけで、オレの心は呆気なく満たされる。
自然にオレも笑顔になり、「おかえり」ともう一度、今度は少し加減をして抱きしめた。
「ただいま」
耳をくすぐる優しい声。
ああ、サクだーーー
体を離すと、両手でサクの頬を撫で、上を向かせる。
「わたしにも、先輩の顔を見せてください」
そう言って手を伸ばし、サクが狐の面を取ってくれる。
何かを確かめるように、目の傷や頬に、外気で冷たくなった手で触れる。
「ああ、ホントに先輩だ」
嬉しそうに目を細めるサクが愛しくて、可愛くて、頬にあった手を頭に回して無茶苦茶に口付けた。
加減なんてできなかった。
今までの寂しさを埋めるように、性急に舌を差し入れ、絡め、口内を余すとこなく味わった。
サクも頬を真っ赤に染めながらも、抵抗することなく答えてくれた。
やっと満足して唇を離したら、2人の間にやらしい糸が引いて、それを食べるようにもう一度口付けた。
激しい口づけに目を潤ませ、はぁ、はぁ、と息を上げるサクを見ていたら我慢できなくて、もう一度口付けながらサクの外套の裾を割り、服の中に手を潜り込ませる。
「か、カカシ!?」
びくりと体を跳ねさせて、サクが逃れようと身を捩る。
動きを封じるように手首を一つにまとめて木の幹に押さえつけながら、服を乱し、首すじにちゅ、とわざと音を立てて吸い付く。
「っ、ん……」