第17章 星空のプロポーズ
天気予報通りの快晴。
サスケとナルトの家に寄り、弁当の入った袋を玄関ドアに掛けると、秘密基地へと向かう。
里の門を抜けて、森に踏み入るころに、どちらからともなく手を繋いだ。
サクは体のわりに手が大きい。
というか、指が長くて、爪も長丸で綺麗だ。
でも、戦いにくいし邪魔という理由で、いつもギリギリまで短く切られているし、マニキュアを塗っている所も見たことがない。
そういうオシャレに無頓着なところもサクらしくて好きだ。
無性に愛おしくなり、繋いでいる手を持ち上げ、その桜色の爪先にキスをする。
すると、サクがビックリした顔で、「先輩って、急にそういうことしますよね!」と赤くなる。
「だって、サクの手、綺麗で好きだなって思ったから。」
サクがこういう言葉に照れて真っ赤になることがわかっていて悪びれずに返すと、案の定真っ赤になりながらもサクが自分の手を見つめる。
「お手入れも大してしてないし、傷だらけで綺麗とは言えないですよ?」
「それも含めて、綺麗なの。」
オレの返事に納得がいかないらしく、しばらく考えていたサクだが、パッと笑顔になりオレを見る。
「あっ、でもわたしも先輩の手、好きです!
大きくて、温かくて、横長の爪がかわいい。」
「え?かわいいの?」
「はい!かわいいです!」
サクが嬉しそうに言い切る。
サクの可愛いの定義はよくわからない。
まぁ、好きでいてくれるなら、なんでもいいけど。
話しながら歩いていると、あっという間に秘密基地に着いた。
軽く掃除をしてクッションの上に2人で座り休憩する。
カバーは深緑色のやつが色褪せてしまったため、濃紺のカバーについこの間買い替えた。
2人で積み重ねてきた時間の長さを感じて、なんだか嬉しかった。
「このカバーいい感じですね!」
サクもクッションに注目してたらしい。
「うん。」
この先も、何回も買い替えながらここで一緒に寛げたらいいと思う。