第8章 7話
『お待たせしました』
呼び出された場所に向かうと、松葉杖をついたに一瞬驚いたような表情を見せる。
「いや、先日の襲撃の時の傷か」
『はい
ところで何か用ですか?エンデヴァーさん』
呼び出したのは焦凍の父であり、オールマイトに次ぐ№2ヒーローエンデヴァーだった。
エ「久しぶりだというのに冷たいものだな」
『私エンデヴァーさんと仲良しなつもりないですから』
とエンデヴァーは、焦凍と知り合って間もないころにエンデヴァーがを尋ねてきたのがきっかけで知り合いになった。
大事な息子に近づく者を排除しにきた、といった感じではあったが。
エ「相変わらず焦凍はくだらん反抗期だ」
『あなたの教育方法にも問題があるんですよ
あの子にはあの子なりの考えがあるんですから』
エ「相変わらず口の減らない女だ」
『エンデヴァーさんも』
互いにふっと笑みをこぼし、エンデヴァーは踵を返す。
エ「決着でもつけようかと思ったが、万全の状態でない貴様に勝ったところでなんともならん
さっさと治せ」
『はい』
とエンデヴァーはここ数年ずっと勝負をしている。
エンデヴァーはと焦凍を引き離すため、は焦凍の傍にいるため。
エンデヴァーはの個性を知っている。
だから焦凍の傍にふさわしくない個性を持っているを引き離そうとしているのだ。
『(不器用な親子・・・)』
焦凍がエンデヴァーを毛嫌いする理由も知っているし、許されることではないとわかっている。
けれどエンデヴァーが焦凍を大事に思っているのも事実。
やりかたはひん曲がっているが・・・。
プレゼント・マイクの声で雄英体育祭が始まったことに気づき、応援する為も席に戻ることにした。