第15章 14話
若干パニックになりながらも着替えと荷物整理を終わらせ手続きを済まし、ロビーで焦凍の到着を待つ。
そわそわしながら入口を見ていると、走ってきてくれたのか息があがっている焦凍が入ってきた。
焦「悪い
待たせた」
『う、ううん
こっちこそ急に来てもらってごめんね』
焦「大丈夫だ
荷物これだけか?」
横に置いてあった荷物を持って、帰ろうと手を繋いでくる。
『じ、自分で持てるよ!
重くないし!』
焦「これぐらいさせてくれ」
譲ってくれそうになかったので、小さくお願いしますと言えばおうと返ってきた。
『(なんか・・・いろいろあったからかな
すごく久しぶりに感じる・・・)』
握られている手に感じる温かさが相澤に抱きついた時より帰ってきたと思わせてくれる。
焦「もう怪我は全部治ってんのか?」
『うん
今まで入院してたのは検査と事情聴取の為だったし、今はなんともないよ』
焦「そうか
よかった」
ちらっと焦凍の顔を盗み見ればいつも通りの無表情。
焦「?
どうした?」
『ううん
なんでもないよ
そういえばみんなはどうしてるの?』
見てることに気づけば顔を向けてくれるが、いつもと違う気がする。
他愛のない話題を振りながら、家までの道のりを歩いた。