第3章 ケーキより甘く、タルトより苦く。【トレ監】※裏
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「——ウ、ユウ」
「…?」
「朝だぞ。起きれるか?」
「おはよ…ございます…」
目を擦りながら身体を起こそうとする…けど。
「———っ」
「やっぱりな…悪い。俺のせいだ」
「大丈夫ですっ………っ」
身体に力が入らない。ついでに言うと声もガスガス。
「ホットココアを入れてくるから少し待っててくれ」
「すみませ…」
しばらくしてトレイがココアを持ってきてくれる。
「ありがとうございまっ………っ」
「?どうした?」
「あっ痕がっ…あの…」
「ん?あぁ…大丈夫。シャツで見えないよ。ただ…」
「…?」
「いや、何でもない。熱いから気をつけて飲むんだぞ?」
「あっはい!いただきます」
飲み終わったあと、着替えて学校に向かおうとベッドから下りようとするけれどやっぱり体が動かない。
「トレイ…っ」
「ユウにばかり無理をさせてすまないな…クルーウェル先生に言っておくから今日は休んでおいた方がいい。」
「…そうします」
「すまないな…代わってやれたら良いんだが…」
「次はもっと優しくしてくださいっ……っ!」
「『次』は、な?」
「違っ…これはっ……」
「分かった分かった。優しくするよ」
「うぅ………」
翌日、なんとか立てるようになったユウがトレイの匂いがする、痕がある、とエースやデュースにしばらく避けられるのはまた後のお話し。
fin.