サバイバーに裏切られたのでハンターになって復讐しようと思う。
第17章 いざ行かん試合へ
私はジャックに見送られて待機室へ向かった。そこには、もう占い師以外の全員が集まっていて、何かを話していた。
「はぁーあ、試合だるいわね。ハンターになったとはいえ、対戦相手は夏葉でしょ?あんなやつの顔、見たくないのに。」
ウィラ…調香師が言う。そこまで直球に言われると、逆に清々しいな。
顔をみたくない、と言うのなら顔を隠してあげようじゃない。
私は一度、そっと待機室を出て、荘園の主を呼んだ。
「ねぇねぇ荘園の主~?」
「はい、ご用件は何でしょう?」
そう言われたので、私は前がちゃんと見えるお面がほしい、と頼んだ。理想はジャックの初期衣装の時みたいな顔の見えないお面だ。髪の毛もボサボサにして行ってやろうかな。
「お待たせいたしました。」
上からゆっくりと、狐のお面と動きやすそうな浴衣が落ちてきた。
「その衣装はプレゼントになります。本題のお面は、付けていただいても頭にかけるだけでも、どちらでも構いません。では。」
成る程。一回イドーラさんの部屋借りて着替えさせてもらおうかな。
イドーラさんの部屋をノックすると、中から信者ちゃんが出てきた。
「あぁ、こんにちは、信者ちゃん。」
「こん、にちは…魔女様あっち」
信者ちゃんの指差す方向を見てみると、イドーラさんが何か不思議なことをしているのが見えた。
信者ちゃんに、一回失礼するね、と言って部屋にあがる。
「イドーラさん。」
「あら、鬱病患者さん。こんにちは。どうしたの?」
「あのですね、着替えたい服があるんですけど、今からジャックの部屋に戻っていると時間がなくって。ここで着替えをさせていただきたいのですが、良いでしょうか?」
「勿論良いわよ。浴衣みたいな服なのね。私が着付けてあげるわ。」
そう言うと、魔女さんは私の服を一瞬で下着だけにしたと思ったら、とても素早くパンツが見えないために履くズボンとレオの思い出だから寒くないように、と薄い長袖を着せてくれて、その上に浴衣を着せてくれた。全体的に紫色と藍色の衣装だ。
黒い狐のお面を被る。これで完璧だ。勿体ないから髪の毛は少し崩れたお団子にしよう。
「イドーラさん、ありがとう!行ってきます!」
彼女は手をひらひら振って行ってらっしゃい、と言ってくれた。
部屋から出ると、イライが待機室に走って行くのが見えた。私も急いで待機室に入る。
ゲーム開始だ。