サバイバーに裏切られたのでハンターになって復讐しようと思う。
第14章 刃物マスター:ジャック
「ジャック。少し頼みたいことがあるんだが、いいかい?」
「はい、いいですよ。…サーベルの手入れですか。」
「あぁ。お願いできるかい?今日は夏葉さんの恨みの相手との勝負だからね。解読遅延をして、全員失血死させたいんだ。」
美智子さんも同じことを言ってくれていたな、と思いながらサーベルのカッコよさに見いっていた。剣などの類は昔から、カッコいいから好きだった。
私がサーベルに見入っているのを察してか、ジョゼフさんが、「さわるかい?」と言ってくれた。
「さ、さわりたいです!」
ジョゼフさんがサーベルを渡してくれたので、そっと持ってみる。なるほど、思ったよりは軽いな。騎士が使いやすいように出来ているのか。
これ以上持っていて何かをやらかしても嫌なので、そっと返す。ジョゼフさんの大きいけど小さい手(?)で頭を撫でられた。
「あっ、ジョゼフ!夏葉は私のものですよ!」
ジョゼフさんは、ジャックの言うことを無視し、髪の毛に触れてきた。そしてその次は顔をさわってきた。
「うん、実に美しい。是非今度、私の写真の被写体になってくれないか?」
「はい、良いですよ。」
ジョゼフさんは今までに見たことがないような嬉しそうな顔をした。尊い。
「ありがとう。美しく撮るからね。」
「楽しみです。」
ジャックは少し呆れたようにため息をつくと、サーベルの手入れを始めた。
「ダメじゃないですかジョゼフ。毎日、使わなかったとしてもあのスプレーをかけなさいと言ったでしょう。ここは普通の人間が住むような場所とは空気が違うんですから。」
「あはは、バレちゃったか。ついつい忘れてしまってね。」
まったく、と言ってジャックがサーベルをちょちょいといじってジョゼフさんに返した。
「これで強度と切れ味は抜群です。これからは毎日しっかり手入れをすること。分かりましたか?」
「うん。ありがとう。」
そう言うとジョゼフさんは部屋を出ていった。
ジャックはどんな刃物でも直してしまう。まるで。
「ジャックって刃物マスターだね!」
「刃物マスター?本当は刃物の知識自体は持ち合わせていないんですよ。ただ、ここに来てから、なんとなくジョゼフのサーベルはああだからこういう手入れをしたほうがいい、とか、美智子の扇はこうしたほうがいいとか考えるようになっただけです。」
「よくわからないけど逆にすごいねw」