サバイバーに裏切られたのでハンターになって復讐しようと思う。
第13章 黒くテカテカ光る……()
「ごちそうさまでした!マリーさん、ベインさん、とても美味しかったです!」
「ふふふ、良かったわ。」
「ならば良かった」
二人にお礼を言って洗いものを出す。これは朝昼晩での交代制の当番だから、気にしないで良いらしい。
「夏葉さん、一緒に戻りましょう。」
ジャックに呼ばれて駆け寄る。そして、おんぶをせがんだ。
「はいはい、分かりましたよ。」
そう言ってしゃがんで、私が乗れるようにしてくれる。私が乗ると、ジャックはゆっくりと立ち上がった。
「わぁ、高い!ジャックっていつもこんなに高い視点で世界を見てるの!?羨ましいなぁ!」
「羨ましい、ですか。身長が高くたって、良いことはほとんどありませんよ。低かろうが高かろうが、生活に支障が出るのは変わりませんからね。」
「確かに…。私は身長が低くて生活に少し支障があるなぁ。高いところに手が届かないし。」
「そんなときは私が取って差し上げますよ。」
「ありがとー。じゃあ、そんなときはお願いするね。」
はい、とジャックが頷く。待って、私復讐するためにハンターになったのに、恋愛しちゃってない…?
私はジャックに、もういいよ、ありがとうと言って下ろしてもらった。
と、その時。
カサッ。
「…ん?」
カササッ。
「……」
黒くテカテカ光輝く這い寄る錯乱と目が合う。
ヤァ。ボクハゴキブリ。ナカヨクシテネ。
「いぎゃああああああ!!出たぁぁぁぁぁ!!!」
「夏葉!?」
私は震える指先でcafard(フランス語でゴキブリ)を指差す。
「ああ、ゴキブリですか。そんなの、スプレーで一発じゃないですか。」
そう言ってジャックはゴキちゃんコロリをぶっかけた。ゴキジェ○トは何か著作権発生しないかが不安なので言わないでおく(普通に言ってる)。
その間にもジャックは死んだゴキブリをティッシュ越しに手で掴み、ゴミ箱に投げ入れて、手を洗ってゴキちゃんコロリをぶっかけた場所を拭いて換気を始めた。
「ほら、これで大丈夫でしょう?」
「ジャック神…」
そう言って抱きつくと、大袈裟ですよゴキブリを退治したくらいで、笑った。神だ…。
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作者はジャックさんを見習ってゴキブリ退治しようとしたのですが、一向に見つからないから諦めて寝っ転がってます。ゴキブリをペットと言い張る勇気があれば生きていける。