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名もない物語

第2章 【鬼vs.宿敵 地獄大一番】


「閻魔大王ッ!!阿鼻地獄で川が氾濫していますっ」

「天国から要請状が…」

「大王ーッまた亡者がドッと……」

「大王ー『果樹園を焼いた者はサトウキビでめっちゃたたく』って…現代に合いません。改定しましょう」

「あーえっとね……阿鼻は政令指定地獄でしょ、そっちでなんとかして。天国の事は知らないよー、鬼灯君か君にでも相談してっ」

「あれ、そういえばお二人は…」

「視察に行ってるよ。この忙しさでさァ二人ともあちこち引っぱりだこだよ」






「――針山は特に問題なし。不喜処地獄はどうですか?」

「従業員不足ですねー」

「鬼灯様ァー。天国の桃源郷から人材貸出しの要請が……」

「天国の世話までしてられませんよ」

「オイ。今こっちの相談してんだぞ。割り込むなよ」

「どうせ、あのアホが面倒だからって私に相談しろとでも言ったんでしょう」

「今さらっとアホって言った?」

「桃源郷ですか…まァよくも罪人もいないのにヌケヌケと…ゆったりたっぷりのんびりしてるくせに…何でもかんでも私に回してくる」






「だからよォ!!ここで一番強い奴ちれてこいっつてんの!」

「困りますよぉ~~そういうことはまず受付を通して頂いて……」

「っかーーッ!!そういうことしか言えねーのかよっこのマニュアル獄卒!」

「……どうかした?」

「あ、様!」

「…………一応、鬼灯さん呼んできて。それまで…私が対応してる」

「わ、わかりましたァ!」


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