第5章 【獄卒大運動会】
<<最終種目、大玉転がし>>
「何だ、この大道具?」
「玉は?」
ゴロゴロゴロ、と後ろから玉が転がって来て、出場者の上から落ちてくる。
「「!?」」
<<残酷ピタ〇ラスイッチ!!!さあ早くゴールの人質を助けて下さい>>
そう言っている間にも火を纏った玉が人質へと迫る。
「わあああぁ」
「ああっ間に合わないっ」
「…………」
ダッ、と本部から飛び出て金棒で玉を打ちはじく。
「……大丈夫…?」
「え…あ、はいっ大丈夫っす!」
顔を赤く染める獄卒たちだったが、鬼灯の次の言葉で一瞬にして凍りつく。
「さん、明日の本番では一切助けてはいけませんよ」
「うん、解ってる……だって、今日、リハ……」
「………本…番?」
「…今日………リハ?」
「精神的負担を伴うと言ったでしょう」