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曇った空の恋の話【第5人格】

第25章 ルカ編


「もういい……ところで、さっき依頼という言葉に反応していたが、なにかあるのか?」

「あー、そうそう。今日から君に添い寝してほしいんだよね」

は?

「拒否」

「えぇ!なんで!!夏葉ならいいよって言ってくれると思ったのに!!」

「私を何だと思っているんだお前は~!!」

「おや、ルカに夏葉じゃないか。おはよう。今日も仲が良いね」

「良くないよイライー!!コイツが添い寝とか言ってくるんだよー!」

「ルカじゃなくて僕と添い寝してほしいなぁ」

「イライの頼みならしゃーないなぁ」

「ねぇ待ってなんでイライは良くて僕はダメなの!?」

「本能が危険だと告げてる」

なんでー!と駄々っ子のように地面に寝転がるルカ。

「……行くぞ、ルカ。一緒にいるこっちまで恥ずかしくなってくる」

「夏葉がいいよって言ってくれるまで動かない」

そう言って足を掴んでくる。

「ちょ、放せ!!」

「だって放したら勝手にしろって言って行っちゃうじゃん!!やだぁ!夏葉と一緒に寝るのー!」

「お前ホント今日キモい!!どうしたんだよ!?」

あれ、そういえば心当たりあるな。

新しく、幼児化できる薬を作って、ルカのお茶にドボンしたんだっけ。

なるほど、そういうことか。

「はいはい、分かったよルカ。今日は一緒に寝ようね。でも、明日からはちゃんと一人で寝るんだよ?」

「わーい!!」

さっきの駄々っ子から一変し、嬉しそうに跳び跳ねるルカ。

薬は失敗か。どうやったら幼児化出来るだろう。この色々とあり得ない荘園のことだから、なんでも出来る気がするけれど。

心当たりは確かにあったが、ルカには絶対に薬が効いていない。

「ルカ、少しでいいから血頂戴」

「!?」

「薬がどのくらいで切れるか知りたいから」

「や、ちょま、無理」

うん、効いてない。

「なんで無理なのかな~?お姉さんに言ってごらん?」

「夏葉はお姉さんじゃなくて僕の…ごほん、何でもない。……薬なんて最初から効いてないよ」

おお、あっさり自白した。
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