第25章 ルカ編
「もういい……ところで、さっき依頼という言葉に反応していたが、なにかあるのか?」
「あー、そうそう。今日から君に添い寝してほしいんだよね」
は?
「拒否」
「えぇ!なんで!!夏葉ならいいよって言ってくれると思ったのに!!」
「私を何だと思っているんだお前は~!!」
「おや、ルカに夏葉じゃないか。おはよう。今日も仲が良いね」
「良くないよイライー!!コイツが添い寝とか言ってくるんだよー!」
「ルカじゃなくて僕と添い寝してほしいなぁ」
「イライの頼みならしゃーないなぁ」
「ねぇ待ってなんでイライは良くて僕はダメなの!?」
「本能が危険だと告げてる」
なんでー!と駄々っ子のように地面に寝転がるルカ。
「……行くぞ、ルカ。一緒にいるこっちまで恥ずかしくなってくる」
「夏葉がいいよって言ってくれるまで動かない」
そう言って足を掴んでくる。
「ちょ、放せ!!」
「だって放したら勝手にしろって言って行っちゃうじゃん!!やだぁ!夏葉と一緒に寝るのー!」
「お前ホント今日キモい!!どうしたんだよ!?」
あれ、そういえば心当たりあるな。
新しく、幼児化できる薬を作って、ルカのお茶にドボンしたんだっけ。
なるほど、そういうことか。
「はいはい、分かったよルカ。今日は一緒に寝ようね。でも、明日からはちゃんと一人で寝るんだよ?」
「わーい!!」
さっきの駄々っ子から一変し、嬉しそうに跳び跳ねるルカ。
薬は失敗か。どうやったら幼児化出来るだろう。この色々とあり得ない荘園のことだから、なんでも出来る気がするけれど。
心当たりは確かにあったが、ルカには絶対に薬が効いていない。
「ルカ、少しでいいから血頂戴」
「!?」
「薬がどのくらいで切れるか知りたいから」
「や、ちょま、無理」
うん、効いてない。
「なんで無理なのかな~?お姉さんに言ってごらん?」
「夏葉はお姉さんじゃなくて僕の…ごほん、何でもない。……薬なんて最初から効いてないよ」
おお、あっさり自白した。