第9章 お泊まり会
お酒に酔ってしまったからにはどうする事も出来ないので、布団に寝転がる。ナワーブが「なになにー?寝んのー?まだ遊ぼーぜぇ?」と言ってきた。酔っぱらいは黙って寝なさいとデコピンをして言った。
数分後にナワーブのすうすうという気持ち良さそうな寝息が聞こえた。
「寝たな。」
「起きてるよー?」
「!?」
布団もかけずに眠っているナワーブに毛布でもかけようと立ち上がった時、イライが目の前に来た。
「ビックリさせないでよイライ。あと、静かに。ナワーブが起きたら面倒だから。」
そう言ってイライを静かにさせて、ナワーブに毛布をかける。そしてベッドに横になると、イライが「寝るの?」と聞いてきた。「寝るよ。イライももう寝て。お酒酔ってるんだから。ちゃんと温かくしてね。」
「酒酔いは温かくしてぐっすり眠れば治るわけではないなぁww」
そう言ってキスをしてくる。正直ドキドキしたけど、ただお酒に酔っているだけだろうと思い、あまり気にせず華麗にスルーをする。すると次は、深い方のキスをしてきた。
「ん………」
そのまま30秒くらいの長いキスを続ける。
「い、イライ……だめ、もう終わり…悪酔いしすぎ…」
私がとりあえずやめさせようとイライの顔をおさえて無理やり止める。すると、イライはケロッとした表情で言った。
「ん?私は酔っていないよ?」
「いや、自覚無いだけでしょ……さすがにあんな瓶一本も飲んだら死ぬか酔うか倒れるかはするでしょ。え、酔ってないならさっきの嘘??」
「いいや、52度のお酒を瓶一本飲んだのは本当だよ。私はこう見えても酒豪だからね。少し酔った演技を見せていただけだよ。それに、ナワーブに飲ませたのはお酒じゃなくて睡眠薬だよ。少しアルコールも入れただけ。」
待て待て待て、イライ策士!?ここまでの流れを全部計算してかつ実行まで持ってきて……っ!?
「んー、まだ未成年だけど、夏葉に少し、これを飲んでもらおうか。」
イライがそう言ってローブの内ポケットから小瓶を取り出した
「え……イライ、なにそれ…」
イライが「お酒だよ。」と返す。いやいや、ちょっと待ってよ!!私まだ未成年なのに!
「はい、口開けて?」
口を真一文字にして、首を横にぶんぶんふる。さすがにお酒は……やばい!