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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第44章 補充※


すぐに拭いてあげようと息の荒いまま身体を起こすが、精液は散っておらず、口を抑えた光希がいた。


「え……嘘、口に…?」

青ざめる善逸。


「ご、ごめん!光希!」

善逸は慌てて布を光希の口の前に持っていく。


「吐き出せ、ほらっ!」
「…………」
「…光希?」
「………はぁっ。ゲホ、ゲホッ…」

光希の口からは何も出てこなかった。


「……え?…飲んだの?」
「へへ、飲んじゃった。ケホッ。喉に引っかかった」
「水…持ってくる」

善逸は着物を羽織って部屋から出ていった。


……え、怒った?

むせながら、少し焦る光希。


湯呑に水を入れて帰ってきた善逸。


「……ん」

ぶっきらぼうに湯呑を差し出す。

「……ありがと」

「…………」
「怒った?」

「…………」
「飲んじゃ駄目だった?」

「…………」
「ごめんなさい」

水を飲んで、またゴホッと咳き込む光希。


「……水、飲み終わった?」
「うん」

善逸は湯呑を横に置き、光希をぎゅっと抱きしめる。


「……無理、しなくていいのに」
「無理してないもん」
「何で飲んだの」
「……飲みたかったの」
「そんなことしなくていい。不味いだろ、こんなの。……ごめんな、口に出して」


善逸は申し訳なさそうにする。
どうやら怒っているわけではなく、昔のことを思って心配していたようだ。


「違うの。あのね…本当にね、飲んでみたかったの。善逸補給……」

しばしの沈黙。

抱きしめられた腕から、善逸が呆れているのが伝わる。そして、次第にそれが笑いへと変わっていく。顔は見えないが、密着しているのでよくわかる。


「何それ……俺の精液飲んで吸収してたの?お前…ちょ、待て、まじかよ……」

笑いを堪えながら善逸が話す。


「あはは、やること鬼と同じだね」
「本当だよ……。あーもうお前って奴は……」

善逸は光希に口付けして、布団に押し倒す。

「変な奴」

男の顔でにんまりと笑う。


「……そんなに俺が欲しいなら、たっぷりくれてやるよ。覚悟しろよ」


その顔に、光希の胸も高鳴った。


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