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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第41章 じいちゃん


「善逸、寝に行くぞ。起きて歩け。おい」

光希は善処の頬をぺちぺちと叩く。


「やだ……俺はまだ、飲むんだ。じいちゃんと光希と…まだ……」
「駄目、今日はお開きだよ。慈悟郎様と一緒に寝てもらいなさい。ね、部屋に行くよ?」
「じいちゃん……?俺、じいちゃんと寝るの?」
「そうだよ」
「光希は……?」
「隣の部屋で寝るよ。心配すんな」

「へへ、じいちゃんと寝るの、久し振り……」
「そうだな。良かったな、善逸」
「でも、光希居ないの寂しい……」
「慈悟郎様がいるから大丈夫だよ。甘えといで」
「うん……」

善逸はふらふらと立ち上がる。

「大丈夫か?」
「ん……光希…」

善逸はよろりと光希に寄りかかり、どさくさに紛れて胸を揉む。

「きゃ……!」
「あ、ごめんね、わざとじゃないよ?」
「こ、こら!善逸、」

善逸がへらりと笑う。
慈悟郎が怒ろうとした瞬間、善逸は宙を舞った。


「ぐはっ!!」
「何すんだ!この馬鹿野郎!!」


慈悟郎もその早い投げ技に驚く。

酔っている善逸に至っては、自分の身に何が起こったかわかっていない。


「いってて……」
「慈悟郎様!善逸を運んでいただけますか!俺はもう、こいつに近付かない!」
「そんなに怒らなくたって……」
「ああ?何か言ったか?」
「い、いや、何も……」

睨みをきかせる光希に、善逸と共に慈悟郎も青ざめる。


――怖っ


「じ、じいちゃん、俺、歩けるよ」
「そ、そうか。ならば儂の部屋に行くぞ、善逸」

そそくさと歩きながら男二人部屋に向かう。


「まあ、なんというか、強い嫁……じゃな」
「怖えよ、気付いたら背中が痛かったよ……」
「男に手を出されなくて、良いではないか」
「そう、だね。そんじょそこらの男じゃボコられて終わりだな」


光希はぷんすかしながら二人の後ろを歩いて付いてくる。寝室の準備は手伝うつもりのようだ。


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