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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第25章 明日の命※


部屋に戻って、着物を着る。
光希はようやくホッとした。


縁側に座って、少し遅いお昼ご飯にする。
千代が持たせてくれたおにぎりの包を開く。

「好きなの選べよ」
「全部好きだもん」
「確かに。お前の好物ばっか」

「善逸も母ちゃんに好きなもの言えば作ってくれるよ」
「そうだな」

「まんじゅうおにぎり」
「うげ、まずそっ!」
「善逸の好物は甘味じゃん」
「おにぎりに甘味を合わせんな」

善逸は笑っておにぎりを頬張る。
光希は気だるそうに一つおにぎりを取る。


「……もう、しないからね」
「え?」
「こんなに身体がだるくなるの、やだ」

食べながら、光希が顔を赤くして愚痴る。


「そ、そんなっ!」
「鍛錬以上にしんどい。もうやだ。しない。身体中に力が入らない」

善逸はわたわたと慌てる。


「いや、それは、まだ慣れてないからだって!慣れたら大丈夫だから!ね?」

「今、鬼に襲撃されたら、俺は秒殺される」
「昼間に鬼は出ないっ!」


善逸がそう言っても、光希はぷいっと顔を反らす。

庭で布団が風に揺れている。
光希がのそのそと着替えている間に、善逸がテキパキと濡れた布団を干してくれた。

行為の後、善逸に何もかもやってもらっていて恥ずかしくなる。


「お前は、今、鬼が来ても戦える。でも俺は、……」
「光希……」
「なんでお前はへっちゃらなんだよ……くそ…俺は体力なさすぎだ……はぁ……」



「馬鹿だなあ」

善逸が笑う。

「体力、とかじゃないよ」
「じゃあなに」
「男と、女の違いだろ」

「? ん?」
「俺は男で、お前は女」
「うん」
「だからだよ。体力とかじゃない」
「? わからん」

善逸は、顔を赤らめて、頭をかく。


「えっと…だから…、感じ方が違うんだろ。女の人は、その…男を受け入れる為に、男よりしっかり気持ちよくなるんだ。だから、そうやって後に残っちゃうんだ。たぶん。知らんけど」

光希は善逸を見ながら話を聞いている。まだ納得していない顔だ。


「もう!だから、女の子は仕方ないの!男は出してスッキリはい元気ってなるから俺は今平気なだけ!」


説明が投げやりになって眉を潜める光希。


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