第25章 明日の命※

しばらく抱き合っていた二人。

光希が恥ずかしさに耐えられなくなってきて、ごそごそと動き出す。

着物を取ろうとしているようだ。


「だめ、服着たら汚れちゃうでしょ」
「だって……」


「よっ」
「きゃっ」

善逸は光希の片足を横から前に回し、身体を正面から横向きにする。
そのまま軽く布でお腹周辺の液体を拭く。


「よいしょっ」

善逸は光希を横抱きにして抱き上げる。

「わっ！え、善逸……」
「お風呂行こ」
「え、ちょっと、……」
「ドロドロで気持ち悪いでしょ」

善逸は有無を言わさずに歩いていく。
にこにこと嬉しそうだ。

「お風呂冷めちゃったかなあ」
「一緒に入るの？」
「そうだよー」
「やだ……！やだ！」

光希は先程の入浴を思い出して、恥ずかしがって身体を硬くする。


「まだ恥ずかしいの？」
「うん……だから、やだ！」
「さっき、もう全部見たって」
「……っ、そういうことじゃないっ！」

顔を赤くして嫌がる光希。


「一人じゃ洗えないでしょ。力入らないくせに」
「……洗えるもん。出来るもん」
「はい、嘘でーす」
「嘘じゃないもん！……もう少ししたら出来るもん」

善逸が器用に風呂の戸を開ける。
全裸なので脱衣所は通り抜けた。

光希を洗い場にそっと下ろし、湯船に手を入れる。



「ちょっとぬるいか……」

先程は熱めのお湯に入っていたが、流石にだいぶ冷めていた。水に戻っているわけではないが、湯船に浸かるのは諦める。
湯桶ですくい、身体にかけてヌメリを落としていく。


………うわ、すっげ、ドロッドロ


流石に顔を赤らめる善逸。

液体のほとんどが下になっていた善逸にかかっているので、それらを手でこすり落としてきれいにしていく。