第15章 友が起きるまで
「善逸、大丈夫だったか」
「ん?」
「さっき、ぶつかったとき」
「お前軽いから平気だ」
「よかった。ごめんな」
掃除をしながら光希が謝る。
善逸も掃除を手伝う。
善逸は衝突時、避けようと思えば避けられたのに、それをしなかった。
それどころか自分の防御もせずに、腕を広げて光希を庇ってくれた。
「ありがとな」
「おう」
善逸が照れたように笑う。
「そういや、善逸と鍛錬すんの久しぶり」
「確かに」
「炭治郎や伊之助とばっかやってたから」
「あいつらも鍛錬馬鹿だからな。お馬鹿三人組」
「俺と炭治郎は真面目なの。お馬鹿は伊之助だけだ」
「いや、皆同じだろ」
「えー……」
「まあ、あいつらが起きるまで俺が代わりに相手してやるよ。鍛錬は嫌いだけど」
「おお。頼むわ」
願わくは、また四人で元気に鍛錬できますように。
祈りを込めながら掃除をした。