第13章 遊郭
呼吸を合わせて墮姫の首を落とす。そしてすぐさま妓夫太郎の首を狙うが、あと少しの所で届かない。
「くそっ……」
「チッ、こっちは仕留め損なったぜ」
そこへ善逸と伊之助、上から炭治郎が降ってきた。
彼らを小馬鹿にする妓夫太郎に、宇髄は
「こいつら四人共優秀な俺の"継子"だ!逃げねえ根性がある!手足が千切れても喰らいつくぜ!」
と、高らかに叫び、勝利宣言をした。
撃破の仕方も見抜いて、勝ったも同然と勝ち誇る。
―――どこがだよ、完全に劣勢じゃねぇか…
と思いながら、なんだか光希も笑えてきた。
「よおっしゃぁ!まだ手足全部残ってっからな。ガンガン行くぜ、覚悟しろよっ!」
と、叫んだ。
善逸が霹靂一閃で堕姫を上空に跳ね上げ、妓夫太郎と離す。これで堕姫と善逸&伊之助、妓夫太郎と宇髄&炭治郎の対戦構図が出来た。
強力な支援技を持つ光希がどちらで戦うかで、状況はだいぶ変わる。
光希はこの場に残り、宇髄と戦う事を選んだ。毒の回った宇髄と手負いの炭治郎。相手が妓夫太郎で有ることがその理由だ。善逸たちも気になるが、そこは祈るしかない。
「お前、あの黄色い奴の方に行かなくていいのかよ」
「はぁ?何でですか」
「あいつ、お前のことやたらと気にしてたぞ」
「幼馴染なんで」
「それだけじゃねえんだろ」
「さてね」
妓夫太郎から目を離さずに、宇髄と光希が会話をかわす。
宇髄は明らかに毒が回ってきている。時間がない。
「炭治郎!!狙うぞ!!」
「おう!!」
光希と炭治郎が妓夫太郎に飛びかかる。だが、妓夫太郎の技は速く、逆転の呼吸を使うことすらできない。負けじと立ち向かうが、二人は吹っ飛ばされた。
妓夫太郎の血鎌にが炭治郎に迫る。ぎりぎりのところで宇髄が炭治郎の首根っこを引っ捕まえて後ろに放り投げて助ける。
妓夫太郎は光希に向かう。
「お前の顔はキレイだなぁ。俺の妹程じゃないけどな。羨ましいなぁ」
ニタニタ笑って光希に近付き顔を寄せる。
「光希!」
宇髄が叫ぶが、距離があり過ぎる。
「顔なんて、どうでもいいだろ。俺は、一般的に男前と言われてる男と住んでるが、全く恋心を抱かねぇぞ。
人はな、心に惹かれるんだよ!」