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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第13章 遊郭


「光希、今回はよろしくな。那田蜘蛛山以来の合同任務だな」
「そうだな。こっちこそよろしく炭治郎。善逸と伊之助もよろしくな。機会を狙って、どんどん合わせていくからな」
「おう!」
「腹が減るぜ!」
「腕、ならそうな、伊之助」

「絶対に生きて帰ろうぜ、皆!」

同期で話すその様子を、宇髄は温かく見守っていた。


店に少年たちを連れて行く宇髄。
そこに光希の姿はない。

「光希をどこにやったんですか」
「あいつはもう任務始めてんだよ」
「四人目の嫁にするとか、言いませんよね?」
「おー、いいなそれ!考えたことなかったわ」
「……っ!」
「なんだお前、あいつに惚れてんのかよ?」
「……別に」
「そうかよ。だったらいいじゃねえかよ」
「……ふん」

髪を下ろした宇髄はそれはそれは男前で、善逸の機嫌はわかりやすい程に悪くなった。

男三人、晴れて就職先が決まってそれぞれの店で情報収集を開始する。



一方、光希は遊郭の住人や客に、聞き込みをしていた。

「ここで働いていた私の姉様が行方不明で……」と涙を流す光希に、男たちは皆親切にしてくれる。

光希と宇髄が兄妹と称して宿泊している宿屋は、三人の店から少し離れた場所にある。そこで光希は得られた情報を毎日宇髄に報告していた。

「わかった。ご苦労だったな。その筋で探してみる」
「はい。明日は西側で聞き込みをします。ここで最後ですね」
「頼む。ときにお前、女の言葉喋れたんだな。演技もなかなかだぜ」
「褒めてます?おちょくってます?」
「ああ?絶賛してるに決まってんだろ」
「……そりゃどうも」
「お前、そういうとこな。そういうとこ可愛くないんだよ」
「可愛くする必要がありませんので」
「はいはいっと。さて俺はお前の情報を元に、今から探しにいってくる。お前は休息をとれ」
「お気を付けて」
「お前も気をつけろ。寝てるときに鬼に食われんなよ」
「大丈夫です。俺は鬼に食われません。宇髄さんが居ますから」
「へぇ」
「その点は、信頼してますので」

光希が笑うと、宇髄は光希の頭を撫でて窓から出ていった。


――――やっぱりあいつ、可愛いな

闇夜を走る宇髄は微笑んでいた。

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