第16章 白ひげ海賊団での暮らし
ゴア王国からこの白ひげ海賊団にきて早数ヵ月。
今日も恋歌はマルコの手伝いをして過ごしていた。
始めは遅かった書類整理も今ではいいマルコの助手として仕事をこなしている。
黙々と作業をしていた恋歌だがふと顔を上げる。
『あ、大砲…』
マ「?」
恋歌の呟きは聞こえたが意味がわからず首を傾げたマルコは次の瞬間伝わってきた振動に驚いた。
マ「敵襲か!?」
立ち上がって外に出て現状の把握をしにいく。
残された恋歌は恐らくもう一度帰って来るであろうマルコを大人しく待つ。
数分してマルコが帰ってきて何度かあった振動の理由を教えてくれた。
マ「さっきの振動は向こうの大砲が撃った砲弾が近くに落ちたようだよい
今は両方とも大砲が届く距離じゃねぇから当たらずに済んでる」
『相手は誰なんですか?』
マ「最近名の上がってきた海賊だよい
あんまりいい噂は聞かないけどねい」
『何してる海賊なんです?』
マ「村を襲って焼き払ったり、一般人を殺害
海軍も手を焼いてるようだ」
『海軍が手を焼くって強いんですか?』
マ「いや、逃げ足が早くてな
あの船に何か特殊な仕掛けがしてあってスピードではあの船に追い付けないんだそうだよい」
恋歌は少し考える素振りをしてからマルコに視線を向ける。
『マルコさん
私が出てもいいですか?
もちろん桜姫で』
マ「なんでまた急に」
『そろそろ海軍に私はどこにいるのか情報を与えてもいい頃かと思いまして
何より鈍ってしまいますから』
マ「情報を与えることで未だ捜索が続けられているあの島から視点を反らそうってか
まぁそろそろ海軍も天竜人の我が儘であの島を探すのも疲れてきてる頃だろうからそれもいいかもねい」
『しかも都合よくあまりいい海賊ではないようですし調度いいです』
マ「俺たちがすることは?」
『甲板に誰もいないようにしてください
あ、あとサッチさんに約束のやつ見せますよって伝えておいてください』
マ「了解したよい」
マルコはクルーたちに指示を出すためにまた部屋を出ていった。
『さて、久しぶりにやりますか』
恋歌は久しぶりに桜姫になるためにひとつ伸びをした。