第12章 未来の海賊王との出会い
持ってきていた着替えやタオルを簡単に片付けて家の方向へ歩き出す。
皆から見えなくなる所からしかダークブーツが発動できないのである程度山に入るまで歩く。
この辺りでいいかなと回りの気配を探ると1つだけ気配があった。
気配の方を振り向いてみると遠くに赤が見える。
『(なんで着いてきてるの?)』
溜め息をついて、恐らく自分に着いてきたであろうシャンクスを待つ。
シ「おお、待っててくれたのか」
にかっと子どものような笑い方で笑いかけてくる。
『どうしたんですか?
こんなところまで来るなんて』
シ「いや、一回恋歌の家見てみたくてな」
その言葉に恋歌は呆れる。
『そんなことのために着いてきたんですか?』
シ「いやー、しっかし恋歌ってこんな山奥に住んでるんだな」
『言っておきますけど私の家はまだまだ遠いですよ?』
シ「でも歩いて帰れるんだろ?」
『んー、ちょっと難しいかもですね
道ないですし…』
シ「じゃあいつもどうやって帰ってるんだよ」
『どうしても着いてくるつもりですか?』
シ「嫌なのか?」
急にしゅんと落ち込んだシャンクスにこっちが悪いことをしている気になる。
『わかりました
その代わりこれからすることと私の家のことは黙っていてくださいね』
シ「わかった!」
『【ダークブーツ発動】』
まずはダークブーツを発動させる。
『ちょっと失礼します』
大の大人しかも男を一人連れて帰るのは骨が折れると溜め息をつく。
じっとしているシャンクスを前から抱き締めるようにして腕を回す。
シ「な、な、何してんだ!?////」
身長差もあり、自分の胸ぐらいに恋歌の顔があり、急に抱きつかれたことに驚く。
『何ってシャンクスさんを運ぶんですよ』
この体勢のせいで間近で恋歌の上目遣いを見てしまったシャンクスはショート寸前だ。
シ「そ、それにしたってこの体勢は…////」
『我慢してください
それともう行きますから目閉じてください』
その言葉にシャンクスは素直に目を閉じるしかなかった。