第4章 喧嘩
リコside
リ「じゃあ、先に行くわね」
「うん、いってらっしゃいお姉ちゃん」
朝練だから、早めに登校する。
なにもすることがないと、どうしても美風のことを考えちゃうわね…。
美風…本当に笑わなくなったな…。
美風は正真正銘のバスケバカだった。
朝から晩までバスケにはまって、土日は近くの公園で自主トレの毎日。
リ『少しやり過ぎよ、美風。休みなさい』
と諭せば、
『私にはバスケが休憩みたいなものだもの。休憩の方が私には身体に悪いんだ』
とキラキラした笑顔で返されたわね。
本当に楽しそうだった。
あの子にとって…バスケは生きがいみたいなものだったのね。
確かに失ったら辛いでしょうね。
けど、そろそろ立ち直って欲しい。
あれこれ考えていると、学校についた。
リ「おはよう!!さ、始めるわよ!!」
日「集合!!」
全「お願いします!!」
リ「じゃあアップからね!!」
美風のことを頭から追い出そうと、練習に励む。
ダムッダムッ キュキュッ
ガコン
あっという間に時間は過ぎて、ホームルームまであと20分となった。
日「なあ、そう言えばカントクの妹って今年高1だよな?どこ入ったんだ?」
突然ふられた話題に、私はかなり焦ってしまった。
リ「え!?あ、ああ…。まあ、ね」
伊「そう言われれば、確かに。気になるよな。きっとばりばりのバスケ強豪校とか入ったんじゃないか?」
リ「う~ん、まあまあ、かな」
嘘はついてないわよ!?誠凛だって去年はインターハイ予選決勝までいったもの!!
黒「カントク、妹さんいたんですか?」
黒子君!?
ヤバい。もしかしたら、美風と同じクラスだったりとか…。
有り得ない話じゃない!!
リ「え、ええ、一応…ね」
伊「すげーバスケ強いんだぜ。なんどか雑誌にも載ってるんだ」
黒「カントクの妹さんってすごいんですね」
ヤバいヤバいヤバいヤバい!!
この流れ、バレる!!
リ「ち、ちょっと、その話はまた今度…」
日「ああ、相田美風っていうんだけど」
黒「相田さん…!?」
伊「知ってるのか?黒子」
黒「はい。
クラスメートです」