第6章 恋歌プレリュード
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博物館から、モストロ・ラウンジに戻りここの新しい経営方針を聞きながらお茶をしていくことになった。
『うわ!このセットの料理すっごく美味しい!』
「ドリンクも飲みやすくて美味しいね」
「あは、ウナギちゃんが食べてるそれね、オレのお手製なんだ~。ウナギちゃんのためなら、オレいくらでも作るよ?」
「フロイド、いつまでもお客様のところで油を売っていないで仕事なさい。」
「はぁ~い、あ、ちなみに小エビちゃんのドリンクはアズールが作ったんだよ」
と捨て台詞を残しアイにベッタリだったフロイドは再び厨房へ戻っていった。残ったアズールはチラッとユウの顔を見た。ユウはドリンクを見てからアズールを見て笑顔で言った。
「アズール先輩、これすっごく美味しいです!また飲みに来てもいいですか?」
「…え、えぇもちろんですとも。スペシャルドリンクだけでなく他のメニューも自信作ですのでぜひともおためしを…」
「そうなんですか、アズール先輩のおすすめは何ですか?」
と、やけに積極的にアズールに話しかけるユウだったが他の奴らはスペシャルメニューに夢中で気づいていなかった。
しかし、アイはユウに対して顔を赤くしながらメニュー説明をしているアズールをニヤニヤしそうになるのを必死に抑えながら見つめていた。
アイの中では、すでにフロイドのことよりもこっちの2人の方が気になって仕方がなかった。
面白い恋のが始まる予感を感じて、
思わずライオンの王と幼馴染の雌ライオンの歌を鼻歌で歌っていることにアイは少しの間気が付かなかった。