第5章 深海スターブ
オーバーブロッドから解放されたアズールから、いくつもの光が出てきた。それは、倒れている生徒達のもとへそっと戻っていく。その中の1つが、あたしののどに戻ってきた。
「アイちゃん?」
『……ユウ……ユウ!』
「あぁ…よかったぁ~アイちゃん!!!」
声が戻ったことを確認したユウは涙ながらにあたしに抱き着いてきた。泣いているユウの頭をなでていると、気を失っていたアズールも目を覚ましたようだった。まだ意識がはっきりしていないようだが、少しずつ意識を取り戻していった。
周りからの話を聞いて、自分が暴走したことを少しだけ反省しているようだった。
「悪徳商法はダメなんだゾ。反省しろ」
「その前に、お前らは他人の作った対策ノートで楽しようとしたことを反省しろ」
と、グリムが偉そうにアズールに説教しているのをジャックにツッコまれていた。
「でも、あの対策ノートは他の誰にも作れない。アズール先輩だから作れたんですよ」
ユウが大きな声でそう言う。それに同調するようにエースとデュース、ジャックまでもそれに関しては称賛していた。
それがアズールにとっては思ったよりも嬉しかったようですこし顔がほころんだ。
話が落ち着いたところで、ジャックが例の写真を見せてきた。
それは、アズールやリーチ兄弟がエレメンタリースクールの集合写真のようで、フロイドがそれを見て喜んでいた。そこはリーチ兄弟や・・・過去のアズールが写っていた・・・がかなり今より印象は違っていた。
『わぁ~可愛い~』
「確かに~!」
「あぁーウナギちゃんも小エビちゃんも分かってる~」
とみんなで見ているとアズールは非常に恥ずかしがっている。
これが写真を取って来いと言った理由が分かった。
でも結果的に、アズールが出した条件はクリアしたわけだからあたし達は寮を返してもらえることになった。