第1章 プロローグ
―――君の声はすばらしい!!
うん・・・知ってる。
―――誰もが魅了される歌声だ。
そうだよ、あたしの歌声は凄いから
―――なんか、冷たいよね。君って
そうかな?だって、歌以外つまらないから
―――なんか、友達になってがっかりした
…勝手に友達になろうって言ってきたのはそっちじゃん
―――お前は歌だけの穀潰しだ!!
そんな穀潰しに期待したのは誰だよ…
―――お前のせいで、私の人生めちゃくちゃだ!!
知らないよ、あんたの人生なんて…
―――お前は悪魔だ!!!!
・・・そうかもね
あたしには歌だけ・・・
小さい時から、それだけは自慢だった。
大人たちはそれを持て囃して、たくさんのコンクールで称賛した。
なのに、あたしが素を出すと途端にがっかりされる。
何が悪いんだよ・・・だって・・・
嫌いなものを嫌いと言って・・・!
ウザいものをウザいと言って・・・!!
死んでほしいものに死ねと言って・・・!!
何が悪ぃんだよ!!!