第7章 それぞれ
かかしサイド 続き
また季節がめぐった。
俺たちろ班は任務で野宿をしていた。
月灯りが降り注ぐ中、仲間の寝息だけが静かに聞こえてくる穏やかな夜。
「なんだ、起きたのか?まだ寝てていいぞ」
起き上がった1 人の部下に、静かに伝える。
「いや、なんだか目が覚めてしまって…」
そういって、俺の傍に来て座った。
少したわいもない話をした後、俺の部下は少しハニカミながら言った。
「そういえば隊長。最近また少し雰囲気がかわりましたね。」
「え?そうか?」
そんなこと言われるとも思わず、少し驚いた。
「変わらず…その拳に誓いを立ててるんですか?」
そういえば、前に聞かれたことがあったな…と思い出し
「あぁ…この拳に誓う大切な人への思いがあるからな…いろんな意味で負けるわけにはいかないよ」
「そうですか。俺も隊長のようになりたいです」
そういって、そいつは笑って言った。
俺なんてろくなもんじゃないよと言っても、そいつは俺を尊敬してくれていた。
こいつも含めた仲間を守らねばと、改めて思い直した。
気が付けば、過呼吸になる回数もへり、衝動的に感情が高ぶることがあっても自身の感情と心に向き合うことで、少しずつコントロールができるようになってきていた。
俺の心は少なからず、過去よりも強くなってきていると実感できた。