第3章 現実と心の狭間
かかしサイド続き
あれから俺とアンナとは恋人同士になった。
一番驚いているのは自分だ。
これまでの自分ならこんなことはあり 得なかったし、考えもしなかったのだ。
だが、どれだけ任務が過酷でも生きて帰らねばという強い意志が芽生え、また任務の成功率、集中力、己の精神力を高めた。
あえて言うならば、弱点ができたともいえる。
暗部とは言え、そこそこ名が他里にも知れてきている。
アンナを危険なめには合わせたくない。
もっと強くならなければ…と拳をにぎりしめた。
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やっと顔が見れる…そう思って玄関を開けると、うれしそうに駆け寄ってくる愛しい人。
おかえりと言って待ってくれている人がいるという心地よさ。
あー限界…
と思ったのもつかのま、そのままアンナに追いかぶさって倒れてしまう。
今日は写輪眼を使いすぎたようだ。
情けない…
と思いながらもなんとか彼女にもたれながらベッドへ行く。
彼女にとってはもうこれも慣れた光景のようで、手際よく体をふいて着替えさせてくれた。
さすが看護師だけのことはある。
そのあとは、ゆっくりと頭や体を優しくさすってくれて、俺は心地よく眠りにつくのだ。
精神的なサポートが大きいのか、深く眠れるし、前に比べて回復も早い。
「アンナ…キスして…」
がらにもなく甘えてしまった。
甘える俺を愛しく見つめて笑うと、ゆっくりと2度、3度唇を重ねてくれた。
彼女と俺の体温が重なり、今日もこうして生きてアンナのそばに帰ってこれたことを実感し、意識を手放した。