第2章 かかしの闇
かかしサイド
アンナが無防備に俺の体にすりすりと頬ずりしてくる。
なんかかわいいと思って眺めていたら、起きた。
アンナは、俺が思っているよりも昨日のことを深く思い詰めている様子も、俺に対して恐怖や嫌悪感を抱いていることもなく、あっさりと共に生活することを承諾してくれた。
というか、逆に嫌なのか?と問い詰められた。
嫌なわけがない。
正直、本当に昨日は救われた。
もし出ていくといわれたほうが、よっぽど傷ついていたのかもしれない。
それに、俺は昨日あんな状況だったから素顔も見せてしまっていたけど、アンナはいたって無反応。
今までここまで無関心、無反応にされたためしがないため、若干違和感を感じるが、それも含め、ほかの女の人とは違うと思った。
俺はやっぱり彼女からしたら、子供なのか…
そうモヤモヤとしていたら俺の写輪眼について聞かれた。
アンナに話すことには抵抗も感じなかったからオビトの話をした。
「そっか‥じゃオビトはいつもかかしと共にいるんだね。
じゃあその目に、いつかかかしの幸せも見せてあげないとね」
と笑って言ってくれた。
俺の幸せか…
俺は幸せになっていいのだろうか。
そんな日が来るんだろうか。
答えの見つからない疑問をただ、ただ自身に繰り返した。