【カードファイト!ヴァンガード!】 ~クレイの神子~
第9章 南の神殿の島
三和「……ん?」
三和がナイトの肩越しの柱の影に隠れている、私達に気が付いた。
距離が近かった二人を見て、何か勘違いした三和。
三和「あ、なるほど…♪」
ナイト「? どうかした?」
三和「いや、何も?あ、お兄ちゃん。あっちの方を案内してくれない?」
ナイト「は?何故だ?」
三和「いいから、いいから♪」
三和が機転を効かせて、ナイトを誘導して行った。
ハルカ「…あ!あっちに行ったよ?行こう!」
櫂「…………。」
櫂は、「三和の奴、こっちに気付いてたな?」と思いながら、目的の果物がある場所へ向かうため、森の中を歩いて行く。
森の中は湿度が高く、ジャングルの様に蒸し暑かった。
ハルカ「暑い…櫂くん大丈夫?」
櫂「ああ」
私は汗だくなのに対して、櫂くんは汗一つかいていない。
ハルカ「(な、なんで…?)」
櫂「まだ掛かるのか?」
ハルカ「えっと、もうすぐの筈なんだけど……あ、あった!」
目的の果物を発見し、走り出した途端――。
ズルッ――!
急に宙に浮いたような感覚の後に、地面に吸い込まれるような感覚が襲った。
ハルカ「え、きゃああっ!?」
櫂「! ハルカっ!!」
この場所は、ちょっとした崖になっていた事を忘れていた。
2メートル程下に落ちてしまい、ぶつけたお尻を擦る。
ハルカ「いっ、たたた…っ」
櫂「おい、大丈夫か?」
櫂くんはスルスルと身軽に降りてきた。