【カードファイト!ヴァンガード!】 ~クレイの神子~
第3章 宿主
儀式の間へ向かい、長い廊下をひたすら歩いて行く。
三和「なぁ櫂、さっきお兄ちゃんの顔赤くなってなかったか?」
櫂「…………。」
三和「そういや、双子って割にはあんまり似てないよな?あの兄妹」
櫂「……俺には関係ない」
三和「…っぷ」
お前分かりやす過ぎ、と三和が吹きだした。櫂はそんな三和にムッとしている。
ハルカ「ここが儀式の間だよ」
そこには、大きな扉がある。聞いた話では、扉には特殊な装飾が施されていて、現当主であるお父様にしか開ける事が出来ないらしい。
ガチャッ_キイィ_。
儀式の間の扉が内側から開いた。
父「いらっしゃい。よく来てくれましたね?」
中からお父様が出迎えてくれた。
ハルカ「お父様、この人がPAYクオリアを持つ先導アイチさんです」
アイチ「は、初めまして!先導アイチです」
父「君がそうなんだね?…なるほど、確かにハルカと近い感じだね」
三和「親父さん、そういうの分かるのか?」
三和がナイトに耳打ちして聞いている。
ナイト「父は今、神子代理の立場にいる。そのくらい感じ取れるのだろう…」
三和「神子代理?正式な神子じゃないのか?」
ナイト「今の正式の神子は私達のお母様なの。本当はもう代替わりしなくちゃいけないんだけど、その儀式を私は、失敗しちゃったから…」
三和「失敗?」
皆が失敗という言葉にお驚いた様子だった。
父「…さ、準備は出来ているよ。それじゃあアイチ君、そこに立ってくれないか?」
アイチ「あ、はい」
お父様が仕切り直して、儀式を開始しようとしてくれた。
でも私は、もう一度尋ねる。
ハルカ「待って、アイチくん!」
アイチ「アイチ、で良いよ」
ハルカ「…アイチ、本当に良いの?」
アイチ「うん。カード達とはちゃんとお別れは出来たし、ヴァンガードが出来なくなる訳じゃないから」
ハルカ「……そう。ありがとう」