第27章 ケアレスミス
こんな埃っぽいところでよく眠れるな…。
「ロイ…?」
声をかけても起きない。
これはかなりの熟睡だな。
それを証明するかのように、肩が規則正しく上下している。
視界に入るのは、少し水分不足の唇。
それに引き込まれる。
ちゅ…
「……!!!」
今、私、何した…?
何した…???!?!?!
パニックになっていると、グイッと腕を掴まれた。
「ロイ…?」
あれ…?
目がマジだ…。
「今のは、おまえの気持として受け取っていいんだな?」
「お…、起きてたのか…?」
「いいんだな…?」
引き寄せられて、気付いた時にはロイの腕の中だった。
「ちょっ…。」
ロイの右手に顎を固定されて、ロイとの距離が縮まっていく。
「ロ…。」
ダメだ…、逆らえない…。
「大佐ー。どこですー?マスタング大佐ー?」
遠くで声が聞こえる。
「ふっ。邪魔が入ったな。」
ちゅっ
私の左まぶたに唇を落とし、備品室を出て行った。
ケアレスミス
心臓がぶっ壊れそうだ…。