第2章 T.01
痛あああ!!
足と尻を打った!完全に打った!!いってえ!!
なんだったんだ一体…?しかもここはどこ?
…誰かの庭……?
「誰だ!?」
誰か人の声が静かだった庭に響いた。
そして今まで感じていなかった人の気配を急に感じた。
えっ、人!?
慌てて周りを見回すが人は見当たらない。しかし、ざっざっと聞こえる足音から人が近くにいることは容易に分かる。
これはやばい。一気に鼓動が速くなり、嫌な汗が頬を伝う。何がやばいかまでは頭が回らないが、本能的にやばいと察する。
隠れよう!
立ち上がる為に足に力をいれる。
右足は何の問題もなくいつも通りに動いた。
問題は左足だった。
……マジかよ……。
右足と違い全くもって私のいう事を聞いてくれない左足のせいで、私はまた地面くんと対面した。
「いっつ……」
「……誰だお前」
…………。
私以外の人の声が背中から聞こえた。
信じたくなかったので、私は振り向かなかったッ!